大韓航空に続いてアシアナ航空も黒字!?良いニュースが続きます。

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航空業界にポジティブなニュース

新型コロナの影響を受けて世界中で航空需要が落ち込み、各国の航空会社が記録的な業績悪化を強いられて厳しい経営環境に直面しています。
そうした中、韓国最大手の航空会社・大韓航空2020年4〜6月の業績が、営業利益で1,485億ウォン(約134億円)純利益でも1,624億ウォン(約146億円)となり、黒字転換を達成するという発表があり、サプライズニュースが世界を驚かせたという話は既にお伝えしました。

他の航空会社もこの発表に勢いづくことを期待したいところですが、果たして回復の糸口を掴めているのでしょうか。 
実は大韓航空と共に、韓国を代表する航空会社に数えられるアシアナ航空も、直近の4−6月業績で黒字に転換するというポジティブサプライズを起こしたようです。
今回はこの韓国・アシアナ航空の動向をお伝えします。

アシアナ航空

韓国の二大航空会社と言えば、大韓航空アシアナ航空です。
アシアナ航空は、大韓航空よりも遥かに後発ながら、積極的な事業展開によって大韓航空に次ぐ規模の航空会社に成長しました。
2003年には国際航空連合のスターアライアンスへの加盟も果たしています。
日本でも人気が高く、国際的にもステイタスを認められた航空会社と言えます。

■会社名称 アシアナ航空
英語表記 ASIANA AIR LINES
会社設立 1988年2月17日設立
航空連合 スターアライアンス

4−6期はサプライズ業績!!

アシアナ航空では8月7日に2020年4−6月期の四半期業績を発表しました。
四半期での売上高は8,186億ウォン(約736億円)、営業損益は1,151億ウォン(約104億円)で大韓航空に同様に黒字を計上しました。
1~3月期の営業損益は2,082億ウォン(約187億円)もの赤字だったので、コロナ禍の厳しい環境の中でも急速に業績の立て直しに成功したことになります。
純利益も1,161億ウォン(約105億円)で、市場の予想値を大きく上回るポジティブな内容になりました。

貨物が業績を牽引

アシアナ航空の業績を支えたのは、大韓航空と同様に、貨物シフトの成功と運行コストの削減です。
アシアナ航空でも旅客需要の落ち込みは急激で、搭乗率は大きく下がり、運行も縮小を重ねて行く事態に陥りました。
世界中の航空会社が旅客需要の急落に直面し、アシアナ航空と同じ様に運行便や運行路線を縮小して行きます。
但し航空機の運航率が落ち込んでくると、韓国内外の貨物需要が大韓航空とアシアナ航空に集中して行きました。
それでも貨物需要に対して全体の輸送力は大幅に減っていたため、貨物運賃が2倍~3倍に上昇しました。
アシアナ航空は旅客から貨物への大胆なシフトに踏み切り、貨物輸送能力を整えたことで、貨物需要と運賃高騰の恩恵を受けたのです。

中国、日本路線が激減

人件費などの経費削減に早い段階で着手していたことも功を奏する結果になりました。
新型コロナ以前から、迎撃ミサイルシステム(THAAD)配備問題を機に中韓関係が冷え込み、中国路線の旅客需要が大きく落ち込んでいました。
もう1つのドル箱だった日本路線も反日不買運動などの影響を受けて需要が激減しました。
欧米路線なども多く抱える大韓航空に比べると、アシアナ航空は中国路線日本路線の比率が高く、直撃を受けてしまったのです。
そのためアシアナ航空では厳しい経営改革を断行せざるを得ない状況にあったのです。
実際、2019年には既にアシアナ航空の身売り話が取り沙汰されていました。

厳しい経営改革

2020年2月18日には、韓昌洙(ハン・チャンス)代表「非常経営計画」を発信し、役員・管理職の報酬減額や、全職種の従業員を対象に10日間の無給休職に踏み切るなど厳しい経営改革を実施しました。
4月からは無休休職を更に拡大して、半分の人員で運営する施策を実施しています。
アシアナ航空を含む韓国の航空会社が、新型コロナ問題の発生前から厳しい状況に置かれていたことは既にお伝えしています。

こうした徹底した経費の削減と、貨物への大胆なシフトチェンジ、更に燃料費コストの減少などが寄与して4−6月期業績のサプライズに繋がったのです。

アシアナ航空売却の発表

ただ直近の業績は上向いたものの、アシアナ航空は膨大な負債を抱えており、会社売却の話が進んでいきます。
アシアナ航空を抱える「錦湖(クムホ)アシアナグループ」は、債権団に対して3年内の経営正常化を目指す再建計画を提出して追加支援を要請していたのですが、追加資金の拠出を拒否され、経営が苦境に立たされます。
その結果として錦湖アシアナグループは、4月15日時点で、グループの中核企業であるアシアナ航空の売却を発表していました。

売却計画は白紙に!?

錦湖アシアナグループの債権団は、アシアナ航空の半年以内の早期売却を打ち出し、現代財閥のHDC現代産業開発が買収に乗り出す姿勢を見せていました。
6月時点では、アシアナ航空のメインバンクであるKDB産業銀行が破格の条件を提示すれば、アシアナ航空は現代産業開発に買収されるという見方が主でした。
ところがその後、アジアン航空の負債が増加したことなどを理由に、現代産業開発側が債権団に再交渉を要求し、買収交渉が白紙化する恐れが出てきました。
KDB産業銀行は現代産業開発に対して8月11日までに買収の意志の有無を明らかにするよう通告していますが、今のところ買収意思の詳細については報じられていない模様です。

まとめ

大韓航空に続くアシアナ航空の好業績のニュースは、四半期業績とは言え韓国の航空業界全体にも勇気を与えるポジティブサプライズでした。
一方でアシアナ航空の経営状況は依然として厳しく、会社売却の見通しもまだ不透明な状態にあります。
資本母体がどこになるにしても、アシアナ航空は一層の経営改革を迫られることになるかもしれません。
ただ今は貨物事業の好調に支えられた業績ですが、いずれは新型コロナ問題も収束して旅客需要も回復してくる筈です。
アシアナ航空は機内サービスの水準が高いことで定評があり、英国スカイトラックス社のレーティングでは最高ランクの「5スター」を獲得しています。
旅客事業が回復してきた時に、また質の高いサービスも維持していて欲しいですね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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