シンガポールと9月からビジネス往来再開!?

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シンガポールと外相間で合意

2020年8月13日、日本の茂木敏充外相は、シンガポールバラクリシュナン外相と現地で会談を行ない、ビジネス目的の渡航に限定して9月から両国間での往来再開を目指すことで合意しました。
条件付きながら帰国時の2週間の待機も免除される見込みです。
これが良い措置か、悪い措置なのかという判断はそれぞれのスタンス、考え方によって大きく分かれると思います。
ただ世界の趨勢としては、先進国、感染拡大の少ない国を中心に確実に渡航制限の緩和に向かって進んでいるようです。

シンガポール共和国

シンガポール共和国はマレー半島の先端に位置する、東京23区とほぼ同じ位の面積しかない小さな国ですが、経済的実力の高い国として知られています。
1人当りGDPは64,579ドル(第8位)と日本の39,304ドル(第26位)の1.6倍以上の水準にあります。
金融センターとしても重要な、東南アジアを代表する経済大国です。

■国名 シンガポール共和国
■表記 Republic of Singapore
■首都 シンガポール
■人口 564万人(112位)*
■面積 約720平方km(東京23区とほぼ同じ)
■GDP 3,641.4億ドル(35位)**
■通貨 シンガポールドル(1SGD≒76.5円)***

*2019年度IMF発表データによる。
**2018年度IMF公開名目GDPデータによる。
***2020.7.24.EXCHANGE-RATES.ORGレート参照による。

2週間の待機が不要に!?

2020年8月、茂木敏充外相はシンガポール、マレーシアを歴訪し、13日にはシンガポールでバラクリシュナン外相と会談を行ないました。
この会談で、日本ーシンガポール間のビジネス目的の渡航に限定して9月からの往来再開を目指すことで合意がなされました。
現在日本では海外からの帰国者に対して宿泊施設などでの2週間の待機を要請しています。
往来の再開後は、PCR検査の陰性証明や日本での行動計画の提出を条件に2週間の待機を免除する見込みです。
この免除措置は帰国する日本人だけで無く、外国人に対しても適用されます。
但し駐在員やその家族などの長期滞在者については、入国時の検査と2週間の待機を条件とし、こちらは9月中の往来再開を目指します。
長期滞在者の入国についてはタイベトナムと既に合意し、往来が再開していますが、ビジネス渡航者についての往来合意は初めてとのことです。
日本政府は現在含め16の国や地域と交渉を進めています。

シンガポールの新型コロナ状況

シンガポールは、当初は新型コロナウイルスの感染拡大の封じ込めが上手くいっており、感染対策のお手本と称賛されていました。
ところが、外国からの出稼ぎ労働者などが居住する寮(ドミトリー)で4月にクラスターが発生すると、瞬く間に感染が急増してしまいました。
検査を徹底したこともありますが、それでも人口564万人の国で累計51,000人もの感染者が発生する事態となっています。
感染数の急増を受けて、シンガポール政府は4月7日から「サーキットブレーカー」と呼ばれる職場閉鎖などを含む国民行動制限措置を発令しました。
併せて出稼ぎ労働者が居住するドミトリーでは、居住者全員を対象に毎日数千件単位の徹底した検査を実施しました。
検査の拡大もあり感染者数は増加しましたが、国を挙げた感染封じ込めを行っています。
シンガポール政府は、8月1週目には一部の隔離対象者を除きドミトリーを中心とした大規模検査が完了することを発表しています。
人口に比べて感染者数が非常に多いシンガポールですが、7月28日現在のデータでは重篤患者(ICU利用)が0名、現在までの累積死亡者数も27名に留まっています。
死亡率は実に0.053%となり、他国と比較して圧倒的に低い数値となっています。

経済再開への舵をきる

シンガポール政府は「サーキットブレーカー」を6月1日に解除しました。
6月2日から3段階で閉鎖が解除され、経済活動を順次再開しています。
シンガポールでも新型コロナの影響による経済の落ち込みは大きく、経済的には建国以来最大の危機だという報道も見られます。
政府としても経済の回復、国外との往来再開への道を模索していました。

マレーシアとの出入国制限の緩和

シンガポール政府は、8月10日から隣国のマレーシアとの間で出入国制限を緩和することを発表しました。
シンガポールとマレーシアの両政府は、相互グリーンレーン(RGL)定期通勤協定(PCA)の施行に向けて調整を進めてきました。
両国で重要性の高いビジネスや公務に関わる人の往来を8月11日から認めます。
また3ヵ月以上就労する長期ビザの保有者に対しても短期帰国を認めるという内容です。
シンガポール政府は新型コロナの再拡大に注意を払いながらも慎重に開国を進めています。
日本との相互往来の合意も、そうした流れの中で行われたものと言えます。

まとめ

シンガポールは日本と同等、人口を考えるとそれ以上の新規感染者数を出している国ですが、その数字はドミトリーを中心とした徹底した検査の結果でもあります。
実際には市中での感染は殆ど確認されていない国でもあります。
そうした国でも外国との渡航制限解除に向けて動き出しています。
またシンガポールには圧倒的な検査数から来るデータもあります。
その低い死亡率などから、感染症指定のステージが変わってくる可能性も充分にあります。
そうなれば旅行での出入国にも道が開けてくることが期待できます。
慎重に、でも期待しながら渡航できる日を待ちたいですね。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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