アシアナ航空は会社売却でどうなるの!?

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韓国の航空業界

韓国の航空業界は様々な要因が重なる複合不況の最中に、新型ウィルスという超特大のショックに襲われてしまいました。
2019年12月期の業績は大韓航空を除く全社が営業赤字に陥りました。
大韓航空にしても最終損益では赤字です。
そうした状況下で2020年に入り、新型ウィルスの世界的な感染拡大に直面したのです。
日本に就航している航空会社・路線も多いだけに影響が心配ですが、LCC(格安航空会社)は元より大手航空会社も深刻な経営危機に直面しています。
そんな中、2大航空会社の一角アシアナ航空は会社の売却という厳しい局面を迎えています。

アシアナ航空

アシアナ航空は大韓航空に次いで韓国第2位の旅客数を誇る航空会社です。
大韓航空と共に韓国の2大エアラインとして内外に知られています。
日本でも人気の高いエアラインの1つです。

●会社名称 アシアナ航空
●会社設立 1988年2月17日設立
●航空連合 スターアライアンス
●日本路線 成田、羽田、関西、中部、札幌、仙台、福岡、宮崎、那覇に就航
●傘下会社 エアプサン、エアソウル

韓国航空業界の4つの問題

アシアナ航空に限らず、韓国の航空業界は2019年の時点で既に

●反日運動の激化に伴う日本路線の縮小
●中国との関係悪化
●LCCの増加による過当競争
●ウォン安

という問題を抱えて各社の経営状態が悪化していました。
欧米路線にも就航路線の多い大韓航空と比べて中国や東南アジア路線の比率が多いアシアナ航空では中国路線の縮小やLCCとの競合の影響を大きく受けて業績を悪化させていました。
そうした中でそれ以上の暴風”新型ウィルス問題”の直撃を受けたわけです。

非常経営計画

2020年2月18日、アシアナ航空の韓昌洙(ハン・チャンス)代表は「非常経営計画」と題するメッセージを発表し、経営危機への対応策を明らかにしました。
アシアナ航空では役員・管理職の報酬減額を決め、社長が40%、役員が30%、管理職が20%の減額となりました。
併せて社長と役員38人の辞表を韓社長が預かる形で「役職を賭けて危機を克服する」決意を示しました。また全職種の従業員を対象にした10日間の無給休職にも踏み切りました。

半分の人員で運営

更に3月24日のソウル聯合ニュースによると、アシアナ航空では2020年4月から無休休職を拡大して通常時の半分の人員で運営する施策を実施する事になりました。
併せて役員の報酬も60%を返納するとの事です。
3月24日時点でアシアナ航空の国際旅客便の座席数は既に前年比で85%も縮小されており、大量の遊休人員が発生してしまう為、やむを得ず全社員に無休休職を拡大するとの事です。

アシアナ航空の売却

2020年4月15日、韓国の中堅財閥「錦湖(クムホ)アシアナグループ」は、同グループの中核企業であるアシアナ航空の売却を発表しました。
アシアナ航空の売却は、実質的な錦湖アシアナグループの解体を意味しています。
錦湖アシアナグループは3年内の経営正常化を目指す再建計画を債権団に提出して約5,000億ウォン(約500億円)の資金拠出を要請していましたが、支援を拒否され、アシアナ航空の売却に追い込まれた形です。

売却先

錦湖アシアナグループの債権団(HDC現代産業開発を中心とした企業連合)はアシアナ航空の半年以内での売却を打ち出しています。
売却先の候補としては4月17日現在、

●SKグループ(韓国四大財閥の一つ)
●ハンファグループ
●CJグループ
●愛敬グループ(チェジュ航空を抱えるグループ)

などがあがっています。

経営再建の行方

今回のアシアナ航空売却は、アシアナ航空自体の経営不振も背景にありますが、それ以上に錦湖アシアナグループの資金繰り問題が背景にあります。
かつて相当に無理をして大宇建設を買収して後に手放すなどしたツケが回ってきている格好です。
売却先がどこになるかに関わらず、アシアナ航空の経営再建は不可避です。
今以上のリストラも実施される可能性が高いです。
足元の業績が悪く、航空マーケットの先行きも見通しが立たない中なので止むを得ない部分があるのかも知れませんが、現場を支えてきた従業員の方々の事を思うとやるせない気持ちになります。

まとめ

アシアナ航空はCAさんも凛として仕事のできる人が多く、日本でもファンの人が少なくない航空会社です。
過去には機内食問題などもありましたが、その時も現場のスタッフは懸命に対応していた印象があります。
経営再建はもちろん大事ですが、無理な削減策のしわ寄せがサービスの低下を招かない事を願います。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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