ベトナムは早くも収束・攻勢へ!?バンブー航空が路線拡大で日本にも就航します。

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明るい兆しが見えています

新型コロナウィルスの感染拡大を阻止するために発せられた非常事態宣言が大阪、兵庫などでも解除され、後は東京圏と北海道を残すだけという所まで辿り着きました。
残る東京都と近郊3県、北海道についても経過が良ければ5月25日にも解除されるということで日本の厳しい状況にもようやく光が射し込み始めたように思えます。
東南アジアも今回の新型コロナ危機に見舞われましたが、ここにきて活動再開など明るいニュースが増えてきました。
その東南アジア地域の中でも勢いを感じるのがベトナムです。
初動が早く、以後も徹底した対策の実施によって感染拡大を抑え込み、いち早く経済再開に舵を取っています。
世界中の航空会社が息も絶え絶えになっている状況の中で国際線を含む路線の拡大計画を発表する航空会社まで現れました。

タイ国際航空の破綻

東南アジアでも明るい兆しは見え始めていますが、その一方で新型コロナウィルス問題が経済に与えた影響はやはり深刻です。
航空業界ではタイ国際航空が2020年5月19日に事実上の経営破綻に陥りました。
タイ国際航空はタイのナショナルフラッグキャリアであり、名実共に国家を代表する航空会社でしたが新型コロナ問題で航空需要の激減に直面し、経営に行き詰まってしまいました。
当面は運航を継続しながら経営再建を目指すとのことです。
タイ国際航空の場合は新型コロナ問題以前から何度も経営不振に陥っており、新型コロナだけが原因とは言い切れないところがありますが、新型コロナ問題が経営にとどめを刺したことは確かです。
タイに限らず航空業界は非常に厳しい状況に直面しています。

ベトナムの新星!

世界中の航空会社が厳しい状況を耐えている中で、いち早く積極的な経営に転じているのがベトナムの新興航空会社バンブー航空(Bamboo Airways)です。
バンブー航空は2017年に設立し、2019年1月に初就航をした新しい航空会社です。
ベトナムの不動産開発大手「FLCグループ」が出資しています。
2020年の年初時点ではハノイとホーチミンを拠点に国内26路線を運航し、国際線も韓国や台湾などへ4路線に就航しています。
2019年のゴールデンウィークにはホーチミンから茨城空港へのチャーター便運航も実現しています。
バンブー航空も新型コロナ問題の影響は免れず、20年1~3月期には約1兆5,000億ドン(約69億円)の純損失を計上しています。

国際線路線も拡大

それでもバンブー航空の経営施策はとても強気です。
NWAアジアの5月21日報道等によると、ベトナムではバンブー航空の会長が、今年の第2四半期(4〜6月)に予定していたホーチミン証券取引所への上場を、第4四半期(10~12月)に実現させるとの方針を明らかにしました。
新型コロナ問題はバンブー航空社の経営にも大きな影響を与えています。
バンブー航空の国内路線の運航便数は1日45路線程度まで落ち込んでいますが、国内線は回復に向かっており、6月には1日約100便程度まで戻せると考えている。
新型コロナ問題以前の80%の水準になります。
路線数も今年中には現状の倍以上になる60路線に拡大させるとしています。
バンブー航空では国際線路線も6路線から25路線まで拡大するとのことです。
バンブー航空は会長の発言だけではなく、実際に投資も進めています。
ボーイング787-9用のエンジンを60台も発注し、機材をリースで調達する計画もあります。

日本への就航を決定

それだけではありません。
世界中が新型コロナ問題に直面しているさなかの4月28日に、バンブー航空の日本就航の認可が降り、5月20日からの定期便路線就航が決定しました。
就航するのは

●ホーチミン-成田
●ホーチミン-関西
●ハノイ-関西

の3路線で、いずれも1日1往復の運航となります。
日本の国内情勢もあって路線就航は延期されていますが、路線縮小や運航停止が続出している航空業界にとっては久しぶりの明るいニュースです。

35日連続新規感染者0人

こうした積極作を支えているのがベトナム国内における感染防止策の目お見張る成果です。
ベトナムは国境封鎖や感染者の隔離などの思い切った措置を早い段階から実行し、これによって新型コロナウィルスを抑え込んできました。
ベトナム保健省が5月22日に発表した統計によると、ベトナム国内での新型コロナの感染状況は

●国内累計感染者数 324人(その内184人は入国直後に隔離措置)
●国内累計死者数  0人
●新規市中感染者数 0人(35日連続)

となっています。
4月16日から5月21日に至るまで実に35日に渡って市中での新規感染者が確認されていないという特筆すべき状況にあります。
感染者数の精度などに意を唱える人がいるかも知れませんが、人口約9,200万人と日本とほぼ変わらない人口を持つ国で、この成果は高く評価されるべきでしょう。

ベトナム方式

ベトナムが感染を抑え込めている理由は、新型コロナの感染が拡がろ始めた初期の段階から徹底して感染者を隔離し、濃厚接触者を追跡したことにあります。
2020年1月23日に国内初の感染者が中国の武漢出身の親子だと判明すると、ベトナム政府は直ぐに中国人に対してのビザ発給を原則停止し、国内の企業に対しては中国人労働者をホテルなどに隔離するように指示しました。
この強権的な措置によって2020年2月までに5,000人以上の中国人が隔離されたと報じられています。
その後、政府は軍施設や大学の寮を利用して3月までに約6万人分の隔離施設を用意し、海外からの入国者を14日間隔離施設に留めました。
国内でも感染者が出た集合住宅では住民などを隔離施設に移しています。
4月1日からはハノイやホーチミンなど12の省と特別市で外出制限を行ない、不要不急の外出を制限しました。
また公共の場では3人以上が集まることを自粛するよう要請をしました。

社会活動は再開へ

こうした迅速な措置によってベトナムでは前述のような封じ込めにここまで成功してきています。
日本では考えられないほど強権的な施策も、結果が出ていることもあって国民には一定以上の支持を得ているようです。
中国と国境を接していながらも感染を防げていることが大きな説得力を持っているようです。
一方で国内の封じ込めについてはいわゆる都市封鎖(ロックダウン)は行わず、自粛要請とクラスター(集団感染)対策による防疫をしています。
その意味では日本に近い方策といって良いかも知れません。
ベトナム政府による制限は4月23日から順次解除され、市民生活も次第に正常化しはじめています。
政府の発表する感染者数がどの程度信用できるかについては未だ意見が分かれていますが、
それを差し引いてもベトナムが優れた成果を挙げてきていることは確かでしょう。
現時点では日本よりも先を行っているといえると思います。

まとめ

ベトナムはここまで新型コロナの影響を最小限に抑え、いち早く経済のエンジンを回しはじめています。
路線拡大を決め、日本への新規就航を計画する航空会社まで現れています。
むしろ日本の方がしっかり感染対策を進めないと、渡航が始まった時にベトナムの方に断られてしまうかも知れません。
日本もしっかり収束させてお互いの行き来を歓迎できるようになりたいですね。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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