いよいよ治療薬が実用化します
2020年5月現在、日本は新型コロナウィルスの拡大防止のために緊急事態宣言が出され、気軽に外出することさえ憚られるような厳しい状況にあります。
それでも直近では感染者数が減少に転じ、出口戦略の議論も始まるなど光も差し込み始めています。
アビガンやレムデジビルなどの治療薬も医療現場での使用が進み、ワクチンも実用化に向けて急ピッチで体制が整えられつつあります。
収束に向けて一歩一歩ですが確実に進んでいる事は確かです。
ワクチンが整備されれば人の行き来も格段にしやすくなります。
今はもちろんじっとガマンですが、新型コロナ問題が収束したら旅行に行きたい人、それもできれば海外に行きたい人も大勢いますよね。
そんな時に、比較的早く行ける可能性が大きいのが台湾であり韓国です。
何より日本の問題を収束させる事が先になりますが、今日はそんな中で韓国の新型コロナ対応の状況を取り上げたいと思います。
先を行く台湾
新型コロナウィルスの封じ込めに成功したのは何といっても台湾です。
2019年12月には中国・武漢からの渡航者に検疫を実施するなどとにかく初動が早く、その後も有効な施策を次々に実施して封じ込めを進めました。
人口2400万人を抱える台湾で新型コロナによって亡くなった方は6名(2020.4.18.現在)と飛び抜けて少なく、人々は街をかなり自由に往来できています。
台湾のプロ野球リーグも人数は大幅に絞っていますが観客を入れてのリーグ再開にこぎつけています。
デジタル担当政務委員(大臣)として次々と施策を打ち出した唐鳳(オードリー・タン)氏は今や台湾の人々が憧れる存在です。
成果をあげてきた韓国
台湾ほどの突出した成果とまでは言えませんが、韓国も新型コロナウィルスの封じ込みで評価をされている国です。
韓国の場合は一時は日本より感染者が多く、3月時点では感染者数が世界で2番目に多い状況になっています。
大邱市の宗教施設で大規模な集団感染(クラスター)発生が起きるなど苦境に立たされる場面もありました。
それでもそこから韓国政府は徹底した感染の封じ込め対策を実行する事で感染者数を大きく減少させる事に成功しました。
外出自粛陽性が解除
韓国では連日新規感染者が10人以下となり、時には0人を記録する日も出るようになりました。
首都ソウルでは17日間連続で国内新規感染者がゼロを記録し、市街地にも人が増え、徐々に市民は日常を取り戻しつつあります。
5月6日には外出自粛要請が解除されたことにより、街にはより多くの人が戻ってきました。
韓国内の新型コロナウイルスによる新規感染者数は18人と大きく増加した。きのうの発表につづき今日も二ケタの感染者が発生している。そのうち地域発生事例が17人で海外からの流入は1人となっている。
クラブでクラスター発生
ところが5月8日にはこの韓国内の感染者数がは18人増加してしまいます。
しかもこの内の15人はソウルのクラブをハシゴした29歳の男性からの2次感染と考えられ社会に動揺を与えています。
男性は7日に陽性が確認され、感染確認前の5月1日から2日未明にかけてソウルの繁華街ででクラブなど5軒の店をはしごしていた事が明らかになりました。
これを受けて中央災難安全対策本部では8日の夜から6月7日まで全国のクラブや酒場などに営業自粛を勧告することを明らかにしました。
韓国の感染防止対策もなかなかすんなりとは行ってくれないようです。
プロ野球もKリーグも開幕
韓国ではプロ野球やプロサッカーリーグが無観客ながらリーグ戦を開始するところまで漕ぎ着けています。
韓国では2020年5月5日にプロ野球が無観客での開幕試合を行ないました。
当初は3月28日に開幕の予定から大幅に遅れましたが、国内5箇所で試合が開催されました。
開幕戦はKBSなどテレビで全試合が中継され200万人以上の人が視聴したと伝えられています。
プロサッカーリーグ・Kリーグも5月8日に全北―水原戦でリーグを開幕しました。
当初は2月29日の開幕予定でしたが新型コロナウイルスの影響で2ヶ月遅れでスタートに漕ぎ着けた事になります。
こちらも当面は無観客での開催となります。
今季のKリーグは1チーム38試合から27試合に縮小されることが決まっています。
鍵はドライブスルー検査ではない!?
韓国の対策は徹底した検査と陽性者の隔離、外出制限からなっています。
日本では韓国のドライブスルー検査が有名ですが、実際はドライブスルー検査は検査数としてはそれほど多くは無く、むしろ威力を発揮したのは症状が出た人の自宅や、診察先に保健所職員が出向いて検体を採取してPCR検査に回す「移動検診」です。
それを可能にするのが徴兵制に基づく「公衆保険医」という兵役の形態です。
韓国式大量検査は徴兵制の賜物…新型コロナが揺さぶる「自由」の価値(FNN Prime)
また韓国では感染者や濃厚接触者、感染者の利用した施設の情報をかなり踏み込んだ所まで公開しました。
これによって
2020年3月の時点で、韓国政府は「自宅隔離」を命じられた市民を監視するためのスマホアプリを発表しています。
このアプリにより自宅待機中の市民の位置情報をGPSで追跡することができます。
日本とは違う社会制度
正直な所、韓国のやり方を無条件で日本にも導入しろという意見には反対です。
韓国の方法は個人情報やプライバシーを思い切り制限するものであり、徹底した管理とトレードオフの関係にあるからです。
北朝鮮と現在でも休戦状態にある韓国だからこそ採れる方策とも言えます。
日本は個人のプライバシーをより守る社会を選択しており、私自身もそれに賛成です。
但し韓国のやり方に優れている部分も確かにあるので、それはそれで冷静に評価して真似るなり導入することが必要なのだと思います。
まとめ
韓国はさまざまな対策を打ちながら新型コロナ問題収束に向けて動いています。
確かに個人の権利の侵害や、検査精度など懸念される問題も少なからずありますが、それらを差し引いても日本がお手本にできる部分もあると思います。
事態を克服してまた気軽に行き来できるような日が訪れることを願っています。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
コメント
こんにちは。韓国でのクラスターの件は今朝テレビで見ました。封じ込めができているのかなと思っていたのですが、ちょっと気になりますね。でも日本より圧倒的に韓国の方が早く封じ込められると思います。日本は何するにも遅いです。政府の言うことも信用できないし。旅行への欲求が高まるばかりです。^^
メッセージありがとうございます。日本の政府の対応も本当に問題はありますが、疑わしい事例を含めても死者数が少ないのは事実ですからメディアの煽り方も酷いなあと思っています。韓国の対応は圧倒的に早かったですがPCR検査の制度の低さが大きな問題になっています。やはり鍵は治療薬とワクチンでしょうか。自由に旅行がしたいですね。