座席や収納棚にもマスク!?今 航空貨物が貴重な収益源になっています。

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苦境の航空会社を支える需要

日本に限らず、航空業界は新型ウィルス問題による旅客需要の激減という事態に直面しています。
ANAやJALといった日本が誇る二大エアラインでさえその深刻で、いずれも運航路線の大幅な減便や客室乗務員の一時帰休などの厳しい対応を迫られています。
海外に至っては航空会社が更に深刻な状況に追い込まれています。
それでも航空会社の使命はまだ終わっていません。
壊滅的な状況の中でも人知れず、航空会社を支える需要が存在しています。
それこそが航空貨物の需要です。

航空需要はあります

通常時であれば旅客機でも空いた貨物スペースを利用して荷物を運んでいます。
ところが世界中で運航便が大幅に減便になっている中で貨物を乗せる飛行機が不足しつつあります。
実は航空貨物の需要は旅客のように大きく落ち込んではおらず、一部では増加傾向にさえあるのです。
その為、ANAやJALも貨物需要に対応する方策を相次いで打ち出しています。

旅客機を貨物専用便に!

航空貨物輸送の中でも目立っているのがマスクや防護服をはじめとする医療品です。
4月17日には上海からマスク1200箱を搭載したJAL便が成田空港に到着しました。
これだけなら普通の貨物輸送なのですが、今回は少し違う部分があります。
今回はJALが自社の旅客機を貨物専用便としてマスクを運んでいます。
何気にこれは普通の事では無いのです。

座席に荷物を載せるのは簡単ではないらしい

旅客機を貨物専用便として使う場合、当然ながら効率を上げるために旅客スペースの部分にも荷物を載せて飛行機を飛ばしたいわけです。
ところが旅客機の座席を外してしまうなどの行為には制度上さまざまな制約があり、簡単ではありません。
そのため今回のような緊急的な対応時には、旅客機の仕様はそのままに荷物を載せていく事になります。
客室に荷物を積み込む場合は離着陸や飛行中に積荷が動かないように荷物を固定する対応が必要になります。
もちろん単純に固定したからよいという話ではなく、人を載せる場合の様にさまざまな安全基準をクリアしなければなりません。
日本の場合は国土交通省航空局から客室の座席や手荷物収納棚に搭載する認可を得て初めて客室に荷物を搭載する事ができます。
一般的な貨物専用便よりは効率性の上では不利と言えます。
それでも旅客機を貨物専用便として活用する必要があるほど航空貨物の需給が逼迫してるという状況があるのです。

旅客機でも貨物は重要な収入源

貨物需要が逼迫している背景には、やはり旅客便の大幅な減便の影響があります。
旅客機の場合、例えばジャンボジェットの様な旅客機では、座席が満席の便の場合でも荷物スペースの6割〜7割くらいは乗客分以外の貨物を載せることができると言われています。
当然そのスペースはさまざまな航空貨物を運ぶ事で有効利用されています。
貨物スペースを運送業者が買い取る事もあります。
旅客機であっても貨物の運送も重要な収益源だという事です。

飛行機が足りない!?

ところが旅客機の運航が大幅に減少した結果、貨物を運ぶ飛行機が足りなくなってきています。
人の需要ほどに荷物の需要は減っていないのにも関わらず、飛んでいる飛行機が大幅に減ってしまったからです。
特に国際線の路線ではこ傾向が顕著に出ています。
そこで航空会社は運航していない旅客機も貨物専用便として活用し、航空貨物の運搬量を増やそうとしている訳です。
日本航空では3月9日から旅客機に貨物だけを搭載した貨物専用便の運航を始めています。

運賃は上昇

航空会社が旅客機を貨物専用便に仕立てて飛ばすくらいなので、現在航空貨物の運賃相場は大幅に上昇しています。
路線によっても違いますが、通常期の2倍以上になっているケースもあるようです。
国際航空貨物部門が航空会社各社の貴重な収入源になっています。

まとめ

航空会社がどの会社も深刻な状態に置かれている事は皆さん御存じの通りです。
旅客需要は激減し、国際線では乗り入れを拒否される国も数多く出ています。
そうした中で貨物の収益は航空会社にとっては本当に希望の光です。
特に多様な国際路線を抱え、燃料効率の良い新しい機体を多数保有するANAやJAL両グループにとっては貴重な追い風です。
何とか今は貨物部門に頑張って頂いて、来たるべき旅客の回復の時までを支えて頂きたいと思います。
新型コロナが収まったらまた私達を乗せて運んで下さい。
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

コメント

  1. tackmemo より:

    こんにちは。航空業界も大変なことになっていますが、持ちこたえてほしいです。人の移動が制限されているので旅行などで協力したくてもできない状況では、何とか持ちこたえてほしいと祈るしかできませんが、できることは何でもしてほしいですね。輸送手段がなくなっては国家的にも大変なことになるので、国からの支援も期待したいところです。個人的には今年の旅行を楽しみにしていたのですが、今はみんな辛抱の時。想像を膨らませて頭の中で旅行します。

    • penan penan より:

      メッセージありがとうございます。航空会社に限った事ではないですが、この大変な状況を何とか持ちこたえて欲しいですね。私も何も協力できない中ですが、せめて少しでも希望が持てるような話を発信して応援していこうと思っています。新型ウィルスの問題が落ち着いてくれたら行きたいところがたくさんあります。また私達を乗せて素敵な場所に連れて行って欲しいですね。tachmemoさんも素敵な場所に行けますように。