プライオリティパスとは
(2019.05.18改訂)
空港ラウンジは、飛行機への搭乗前や乗継の間の時間を快適に過ごす為に設けられているスペースです。
「無くても旅行はできるが、有ると格段に快適になるもの」それが空港のラウンジです。
しかしながら、特に国際線の空港ラウンジはビジネスクラス以上の搭乗客や上級顧客などが利用対象になっている事が多く、一般の人が簡単に利用できるものではありません。
そうした世界中の空港ラウンジと提携して、航空会社や座席クラスに関係無くラウンジを利用できる会員制のサービスがあります。それがプライオリティパスです。
プライオリティパスは1992年に創設された空港ラウンジの会員制サービスです。
プライオリティパスを保持していれば世界中130か国の1,000を超える提携空港ラウンジを利用する事ができます。
海外旅行好きの方や、海外出張の多いビジネスマンに非常に高い支持を受けているサービスです。
3つの会員資格
プライオリティパスの会員資格には
●スタンダード
●スタンダードプラス
●プレステージ
の3つのグレードがあります。
「スタンダード会員」は年会費99ドルで提携ラウンジを1回27ドルで利用する事ができます。
「スタンダード·プラス」になると年会費は249ドルとなり、ラウンジは10回まで無料で利用できます。
11回目からは1回27ドルの料金で利用できます
「プレステージ会員」になると年会費は399ドルになります。回数無制限で提携ラウンジを無料で利用する事ができます。
どの会員資格でも、同乗者1名は1回27ドルで利用できます。
会員グレードによる違いは利用料金と回数の違いだけです。
ラウンジで受けられるサービスには違いがありません。
海外旅行の待ち時間
空港ラウンジはビジネスクラス以上の乗客や航空会社の上級顧客など何らかの利用資格を持った人とその同乗者しか利用できない所が多く、そうした施設を搭乗する飛行機や座席グレードに関係無く利用できるのはとても大きなメリットです。
海外旅行では、特に帰国時やトランジットの時には空港で長い時間待たなければいけなくなる事もままあります。
そんな時は正にプライオリティパスが威力を発揮します。
ではラウンジは使うメリットとは何でしょうか。
ラウンジのメリット
空港ラウンジは、まず隔離された空間なのでセキュリティ面で格段の安心感があります。
完全に安全しまうのは考え物ですが、少なくともラウンジの外と比べて圧倒的に安全である事は確かです。
これだけでも大きな価値を持ちます。
ラウンジにはゆったりとしたソファがあり、そこでゆっくりと寛ぐことができます。
空港内をウロウロしたり、プラスチック製の固い椅子に座って搭乗の時間を待つのとはそれだけで雲泥の差があります
空調も安定しています。
これも長時間いる時には意外と大きな差だと言う事が分かります。
アジアの空港などでは日本語の新聞や雑誌が置いてある事も珍しくありません。
国際線のラウンジでは通常は飲み物や軽食が用意されており、無料で食事をする事ができます。
かなり本格的な食事が用意されている事も珍しくはありません。
アルコールを含めて全て無料と言うラウンジもあります。
無料WiFiなどのネット環境も最近ではスタンダードです。
無料のシャワールームがある事も多く、そうなると快適さは更に増します。
東南アジアなどは年中暑く湿気もある上、旅行では最終日までスケジュールを
詰めて動き回っている事も多いです。
そんな時に汗をかいたままの状態で飛行機に乗るのと、出発前にシャワーを浴びて服を着替えてさっぱりしてから飛行機に乗るのでは気持ちも疲れも変わります。
特に女性の方は、ラウンジを一度味わうと、もうラウンジの使えない旅行には戻れなくなるのではないかと思います。
カードラウンジとビジネスラウンジ
ラウンジは星☆や数字でランク付されている訳ではありませんが、ラウンジの中では結構はっきりとした差があります。
空港ラウンジは大きくカード会社系ラウンジと航空会社系ラウンジに分かれます。
カード会社系ラウンジはカード会社や空港の運営会社、あるいはラウンジ運営会社が運営しているラウンジです。
通常は複数のカード会社や企業と提携しています。
一方の航空会社ラウンジは各航空会社が自社便の上級グレードの座席の乗客や、上級顧客向けに設置している施設です。
利用対象者はかなり限られ、カード会社ラウンジに比べて格段にサービスの質が高い事が多いです。
航空会社ラウンジは国際線ではビジネスクラス以上の座席に搭乗する乗客が対象である為、「ビジネスラウンジ」とも言われます。
むしろこの名称の方が一般的かも知れません。
またファーストクラスの乗客やVIPの方だけが利用できる「ファーストクラスラウンジ」 「VIPラウンジ」と呼ばれるラウンジもあります。
プライオリティパスではカード会社ラウンジやビジネスラウンジを中心とした提携ウンジを利用できます。
カード会社ラウンジ
カード会社ラウンジは対象のカードブランドの通常ゴールドステイタス以上のカードを持っている人とその同乗者が利用できます。
SBCなどの金融機関·企業が設置していて提携企業の上顧客が利用できるものもあります。
空港関係会社がラウンジを設置し、複数のカード会社と提携して運営している事が多いです。
ゆったりしたソファーがあり、飲み物の無料サービスがあるのが一般的ですが、利用できる対象者が多いので繁忙期は混雑します。
時には満席で断られる事もあります。
航空会社系ラウンジ
一方の航空会社系ラウンジには複数の航空会社が提携するラウンジや単独の航空会社のラウンジが有り、通常は対象航空会社の飛行機のビジネスクラス以上の搭乗者が利用できるラウンジです。
航空会社のイメージにも関わってくるので、一般的にカード会社ラウンジよりも設備、サービス共にグレードが高いラウンジになっています。
飲み物や食事が無料で提供され、アルコールも無料のラウンジが多いです。
ネット環境も当然完備されています。
シャワールームが使えたり、ジムが併設されていたり、PC作業用のデスクが有ったりマッサージが受けられるラウンジもあります。
VIPラウンジ
更に上位グレードのファーストクラス搭乗客やVIP向のラウンジになると、専用のコンシェルジュが付いたり、1本数万~10数万円クラスのワインが提供されたりと、もはや面倒なくらいのサービスになります。
航空会社とは別に国や空港が独自に設けているVIPラウンジもあります。
このクラスになると、一般の人にはほとんど縁の無い世界の話になってきます。
でも100,000マイルあれば、ファーストクラスで旅行する事も可能なんですよね。
また国によっては一般の人でも利用できない事はないVIPラウンジも一部にはあります。
この話はまた別の機会に書きたいと思います。
提携ラウンジのレベル
プライオリティパスは世界中の殆どの国際空港に提携ラウンジを抱えています。
1つの空港で複数のラウンジと提携している事が多いです。
但しビジネスラウンジでも航空会社が単独で設置している様なよりグレードが高いラウンジやファーストクラスラウンジ、VIPラウンジは利用できない事が多いです。
とは言っても利用できるラウンジのレベルは決して低く無く、空港での待ち時間を格段に快適にしてくれるラウンジが揃っています。
しかも普通はラウンジ毎に対象の航空会社やアライアンスが決まっているのですが、プライオリティパスなら自分がどの飛行機に乗るかに関係無くラウンジを利用できます。
このラウンジを無料で利用できると言うのであれば、やはりプライオリティパスは欲しい所ですね。
プライオリティパスは特に海外旅行では非常に利用価値の高いサービスなので、クレジットカードでもプラチナステイタス以上のカードでは、プライオリティパスを特典としているカードもあります。
プライオリティパスの使い方
空港ラウンジは空港内の比較的目立たない場所に有る事が多いです。
宣伝は必要ないし、利用できる人だけ来れば良いと言う事なのでしょうか。
出国ゲートの前にある場合も、後にある場合もあるので、事前にどこに利用できるラウンジが有るかを調べておきます。
国際空港では、大抵は手荷物チェックを受けた後のエリアにあります。
ラウンジの利用に必要なのは、
●利用当日の飛行機のチケット
●プライオリティパス
●パスポート
です。
空港ラウンジに行き、受付で航空券とプライオリティパス、パスポートを提示します。
チケットは チケットや自分の名前と旅程が記載されたプリントでも通用します。
プライオリティパスのスタンダード会員の方やパスを持たない同乗者の方がいる場合は利用料(27ドル)が必用になります。
利用料はクレジットカードでも払えます。
受付が済んだら中に入ります。席は原則自由なので、空いているシートに座ります。
無料WiFi完備
殆どのラウンジでは無料WiFiが完備されています。受付でIDとパスワードを書いた紙が貰えるか、受付辺りにパスワードが提示してあります。
分からなければ受付に行って「Free WiFi. Please!」とでも言えば教えてくれます。
ラウンジの設備
料理や飲み物はセルフ方式のものが多いですが、特に指定が無い限りは無料なので自由に持ってきて頂きます。
基本的にチップなどは発生しません。
トイレはラウンジ内に専用のトイレがある事が多いです。
ラウンジ外の空港のトイレより数段清潔で快適です。
フィッティングルームやジムが備え付けられているラウンジもあります。
サウナ付なんてラウンジまであります。
後は寛いでラウンジで過ごすだけです。
搭乗時間が近付いたら、荷物を持ってラウンジを出て搭乗口に向かうだけです。
ツアー旅行でも使えます
プライオリティパスはツアー旅行でも問題なく使えます。
空港内でここに座って待っていてっ下さい、と言う様なガチガチの引率ツア(今時無いとは思いますが)でも無い限りは、ゲートを潜ってしまえば搭乗まではな筈なのでラウンジに行ってのんびり過ごすのがお薦めです。
ツアー旅行では帰りの空港には早目の時間に着くケースも多いのでラウンジも有効に活用できます。
比較的小さな空港で出発ゲート後にラウンジが有る場合、荷物やチェックインなどカウンターでの作業が有る場合には、搭乗手続の窓口がオープンした後で無いとエックインができず、ラウンジにも行けないと言うケースもあります。
そこは注意が必要です。
まとめ
この様に、プライオリティパスは世界中の空港で役に立つ、頼もしいパスです。
特に乗継ぎ便の待ち時間が長くなった時や出発時間が遅れた時などはプライオリティパスがあるだけで随分と気持ちが楽になります。
早めに空港に行って食事はラウンジで済ませてしまう、とか、帰国日もしっかり散策してラウンジでシャワーを浴びて着替えて帰るなど
旅行の計画自体も変わってきます。
海外旅行(渡航)の質を格段に上げてくれるプライオリティパスを是非経験してみて下さい。
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