ウィルス問題が収まれば行きたい国
2020年2月現在、日本でも新型肺炎ウィルスの保持者が各地で確認される事態となり、海外への旅行は簡単ではない状況にあります、
それでもこのウィルス騒動は、普通に考えればいずれは沈静化する可能性が高く、是非共そう願いたいものです。
春休みの卒業旅行など、旅行計画の延期・中止を余儀なくされた方も多数おられると思います。
そうした方でなくてもウィルス問題が無事に沈静化した時には、万を持して海外旅行に行きたいと考えている人もたくさんいると思います。
その時、例えば韓国などはそうしたニーズが非常に高い旅行先の1つになるのではないでしょうか。
政治的・社会的には対立があり嫌韓の雰囲気が生まれてもいますが、それでも若い世代を中心に韓国文化への関心は強く、人気の海外旅行先となっています。
その韓国への旅行については、ウィルス騒動が収束した後でも今迄以上に格安で行けますよ と言う話題です。
今回は海外旅行の裏技的な話ではなく、航空会社の話です。
Wショック
韓国ではここ一、二年の政治的な対立を背景にした「ノージャパン」(日本不買運動)が 起きており、既に日本への旅行者が大きく減少していました。
そこに加えて2020年に入ってからの「新型肺炎ウィルス」問題によって、韓国だけでなくアジア全域で飛行機の旅客数が落ちこんでいます。
韓国では既に旅客数が減少していた所に、更に大きなショックに襲われた事になるのです。
航空券は記録的低価格
韓国の航空会社が発売する日本路線の航空券は、記録的な低価格を記録しています。
2020年2月現在、韓国ー日本路線の往復料金が1万円 以下の航空券を簡単に見付ける事ができます。
LCC(格安航空会社)などでは特別価格として例えばt’way航空はソウルー関西の片道が3,000円と言う航空券*1を売り出しています。
エアソウルに至ってはソウルー成田を片道2000円、ソウルー関西は片道1000円と言う特別料金まで出しています。
ユーザー側からみても航空会社の経営が心配になるほど韓国の航空市場は冷え込んでいる様です。
*1.t’way航空2020.02.イベント運賃他
*2.エアソウル2020.02.格安片道運賃
構造的問題
但し、低価格の原因がウィルス問題にあるのであれば、この事態が落ち着けば 旅客数の回復を受けて航空料金も上がってくるのが普通です。
ノージャパン的な動きも韓国側に解決策が無い訳ではありません。
ところが韓国の場合、状況はそれほど単純ではありません。
ウィルス問題やノージャパン的な活動の影響とは別に、韓国にはこのタイミングでの航空会社増加と言う別の構造的な問題を抱え込んでいるのです。
韓国の航空会社
韓国の航空業界はまず大韓航空、アシアナ航空の二大航空会社があります。
更に2000年代に入ってからLCC(格安航空会社)が台頭してきます。
韓国では2018年までに
●済州航空
●ジンエア
●ティーウエイ
●エアブサン(アシアナ航空傘下)
●エアソウル(アシアナ航空傘下)
●イースター航空
以上6社のLCCが内外の路線に参入しています。
韓国では2001年3月29日に仁川国際空港が開業し、仁川空港を世界的なハブ空港に育て、航空産業を重要産業として発展させてきました。
LCC各社もこうした航空業界の発展に伴って生まれてきた訳です。
全社赤字の異常事態
ところが前述のノージャパン運動が起き、各社のドル箱路線だった日本路線は厳しい状況に置かれます。
韓国にとって国際線路線のもう1つの柱である中国路線も、ミサイル配備の問題(THARD配備問題)などを巡って中国側が韓国への態度を硬化させています。
その為、韓国の航空会社は2019年時点で既に苦境に立たされて いました。
2019年には大韓航空を除く航空会社が全て営業赤字に陥り、唯一営業黒字を保った大韓航空でさえも、税金などを引いた最終損益では赤字と言う燦々たる決算が並びました。
新型ウィルスショックが韓国の航空会社を襲うのはこの後の事です。
新たに3社が参入
こうした厳しい環境の中にありながら、韓国政府は2019年3月時点で新たに航空会社社の新規参入を認める決定を下しました。
新たに参入を認められたのは
●フライ江原
●エアロK
●エアプレミア
の3社でいずれもLCCになります。
フライ江原は2019年11月から運航を開始しており、残る2社も2020年に営業を開始する予定となっています。
大きなチャンス
全社が赤字になるほど落ち込む環境の中で航空会社が3社も増えると言う異常事態によって、市場は完全に過当競争状態と化しています。
韓国の状況からみて航空会社11社と言うのは明らかに多く、最早航空料金を上げられる状況では無くなりました。
これがウィルス問題が収まっても航空料金が上がらない最大の理由です。
仮にウィルス問題が数ヶ月で納まっても、年内いっぱいは記録的な低価格の水準が続くのではないかと見られています。
日本から見ると欧米や東南アジアへの路線と比べて、韓国路線の価格回復はかなり遅くなってくるものと予想されます。
その為、ユーザー側から見れば韓国に旅行に行きたい人にとって、実はここが大きなチャンスと言う事ができます。
もちろん実際の決断は御自身の判断、自己責任でお願いしますね。
業界再編は必至です
旅行者にとっては航空料金が安いのはありがたいですが、航空会社はいつまでもそのままの状態では経営が立ち行きません。
もちろん各航空会社もその事は嫌と言う程分かっています。
具体的には会社の身売りや統合を含めた経営再建への動きを強めています。
今後一、二年の内に韓国の航空業界の大きな再編が起こるのは確実です。
航空会社の身売りや買収の話は既に多数取沙汰されています。
そうした再編成を経て、韓国の航空業界はゆっくりと回復に向かうものと見られます。
日本の航空会社への影響
日本の航空会社は韓国に比べると日本ー韓国路線のウェイトが低い為、影響は限定的と見られています。
但しウィルス問題については日本自身も諸外国から入国を制限され始めており、ANAやJALも余裕を持ってはいられない状況にあります。
本当に一日でも早く収束して貰いたいですね。
対策に当たっている方々、本当にお疲れ様です。
まとめ
韓国の二大キャリア(大韓航空、アシアナ航空)は、経営はともかく、現場のサービスへの評価は決して低いものではありません。
アシアナ航空などに乗ると、 CAさん達は皆さん気品に溢れ、仕事も的確で感心させられる事も多いです。
現場の皆さんが頑張っているのに、それ以外の部分立場がで追い詰められていくと言うのは 何とも寂しい事でもあります。
韓国が好きな方は、事態が落ち着いた時には旅行で訪れる事を検討してみてはいかがでしょうか。
とにかく今は手洗いなどしっかりして、来るべき時に備えてマイルを貯めましょう!
今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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