(2023.08.16.改訂)
マイルよりSkyコインがお得!
ANA Skyコインの解説記事で、ANAマイレージクラブの会員ステータスが上がってマイルからコインへの交換レートが1.5倍、1.6倍ともなってくると、特典航空券とコインの必要マイル数が接近してくるという話をしました。
路線や時期、搭乗便にもよりますがマイルを特典航空券に交換するよりも、ANA Skyコインに変えた方が得なケースさえあるのです。
そこで今回は、ANAマイルを特典航空券に交換した場合と、ANA Skyコインに交換した場合とでどのような差が出てくるかについて幾つか例を取ってシュミレーションしてみます。
国内線航空券の事例
2023年8月に東京ー福岡の往復航空券(11/16~11/18)を予約するケースを例に計算してみます。
この時期はレギュラーシーズンに該当するので往復特典航空券への交換に必要なマイル数は15,000マイルになります。
ANAは現在変動運賃制度を採用していますが、基準になる「フレックス運賃」で見ると片道47,880円、往復では95,760円となります。
フレックス運賃と比較すると特典航空券が断然お得な事は明らかです。
急に飛行機の搭乗する事になった場合などではこうした比較もできなくはありません。
但し実際の多くのケースでは、航空券を予約する際には少しでも料金の安いチケットを探すと事の方が多いです。
そもそも特典航空券を変更などの自由度が高いフレックス運賃と比較するのはフェアとは言えませんよね。
ANAのサイトで同じ旅程の料金を見ると、8月時点でもさまざまなタイプの割引運賃が便毎に提示されています。
誰でも購入できるタイプの割引運賃の中で最安値を拾うと、往路・復路がそれぞれ13,460円(スーパーバリュー75)、合計26,920円となります。
ANA Skyコインだと26, 920コインで購入できます。
この為に必要なマイル数を逆算すると、以下のマイル数が必要になります。
・交換レート1.5倍:17,947マイル
・交換レート1.6倍:16,825マイル
・[参考]特典航空券 15,000マイル(レギュラーシーズン)
Skyコインで購入すればマイルが貰える
これで終わりではありません。
ANAマイルを国内線特典航空券に直接交換する場合はマイルを消費するだけですが、ANA Skyコインで購入した場合にはマイルが貰えます。
今回は東京ー福岡をスーパーバリュー75で購入なので850マイル貰えます。
※567マイル✕75%✕往復=850マイル
交換レート1.5倍の人はANAカード(積算率110%)、交換レート1.6倍の人はANAカード・ゴールド(積算率125%)以上を持っていると推定できるので、獲得マイル数はそれぞれ934マイルと1,062マイルになります。
これを組み入れると実質的に負担するマイル数は以下の通りになります。
・交換レート1.5倍:17,013マイル
・交換レート1.6倍:15,763マイル
・[参考]特典航空券 15,000マイル(レギュラーシーズン)
実際には1.5倍、1. 6倍の交換レートを引き出す為には一度に5万マイル以上の交換が条件なので参考値とお考え下さい。
これだけを比べてどうだ!というには無理がありますが、実際の差は思ったよりずっと少なく、やり方によっては逆転するケースもあるということは理解して貰えたと思います。
国際線航空券(東京ーバンコク)の例
今度は国際線の事例で計算してみましょう。
同じ日程(11/16~11/18)で東京からタイ(バンコク)への往復航空券を例に計算します。
東京ーバンコク間(レギュラーシーズン)の国際線特典航空券に交換する為に必要なマイル数は35,000マイルです。
次にANAのホームページで運賃を見ると、便によって金額は違うものの提示料金から一番安いものを拾うと往復116, 090円となりました。
ANAマイルをSkyコインに交換して購入するには、交換レートが1.6でも72, 557マイル必要な計算になるので特典航空券(35,000マイル)の優位は動かないように思えます。
但し特典航空券は搭乗してもマイルは付きませんが、ANA Skyコインで購入した場合はマイルが獲得できます。
交換レート1.6が得られるステイタスになる為にはANAのゴールドカード以上を保有している事が前提になるので、搭乗に対して25%のボーナスマイルが付きます。
計算すると往復で3,584マイルが獲得できます。
これを組み入れると実質的なマイル負担は
72,557ー3,584=68,973マイル
となります。これで特典航空券の優位は動かないように見えます。
特典航空券にはサーチャージが入っていない‼
ところが計算はまだまだ終わりません(計算ばかりですみません…)。
ANA Skyコインで購入する際に支払う金額、つまりANAの公式ホームページで提示される合計金額はサーチャージや税金と言った諸費用を含んだ総額です。
これに対しANAの国際線特典航空券には燃料サーチャージや税金が含まれていません。
今回の東京ーバンコク往復だと34,090円の追加費用になります(2023年8月時点)。
つまりこの比較は以下の内容で比較するのが妥当です。
・ANA特典航空券:35, 000マイル+34,090円
・ ANA Skyコイン :68,973マイル
今回の例ではそれでも特典航空券の方がお得なようですが、その差はかなり少ないです。
行き先や時期によってはANA Skyコインの方が有利になるケースもあるかも知れません。
こうなると国際特典航空券での予約が取れなければ、ANA Skyコインで取る方法も視野に入れて柔軟に考えることができます。
一概には言えませんが、同じ日でも便によって金額は大きく違うので特典航空券の予約が全く取れない、あるいは思った旅程で取れないということであればANA Skyコインの存在感が増してきます。
トップシーズンの航空券はとても高い
年末年始のハワイ便などトップシーズの人気路線では国際線の特典航空券が殆ど取れないと言われます。
そうした時期・路線でも空席が有る限りは航空券が買えるANA Skyコインは希望便の席を取るという点ではとても心強い存在です。
ただ国際線の航空運賃は変動価格制を採用している為、トップシーズンの人気路線では運賃が驚くほど高くなっている事も少なくありません。
そうなると特典航空券に近い負担で航空券を取る事は難しくなります。
それでも効率的な方法でマイルを貯めて来た方にとっては、 現金購入よりSkyコインを利用する方が有利なことは間違いありません。
まとめ
それでもやはりトップシーズンを外して旅行できるのであれば、特典航空券を利用するにしてもANA Skyコインを利用するにしてもマイルは大いに威力を発揮します。
可能であればそうした時期にマイルを利用して、マイルの威力を存分に発揮するのがお薦めとなります。
ANAマイルとANA Skyコインの両方の特性をよく理解しておけば、それぞれの強みを活かして有効に利用して行くことができます。
是非、有効に活用して楽しい旅行を手に入れて下さい。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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