日本人120がタイに到着
2020年7月31日、日本人約120人を乗せた特別便がタイに到着しました。
タイでも新型コロナウイルス感染拡大を受けて外国人の入国制限が行われていますが、日本とタイ両政府の間では渡航制限の緩和が協議されてきました。
今回は入国制限の一部緩和によって入国が認められたものです。
既に一部の日本人に対しては入国が認められており、タイ人向け帰国便に同乗していたのですが、120人という規模での日本人の入国が認められたのは制限後初めてのことです。
日本では感染の再拡大が不安視されており、実際に新規感染者が拡大している現実もあります。
それでも一方では、世界経済は再び確実に動き出しています。
実はタイの方が感染は遥かに少ない
日本からタイへの入国については、帰国したタイ人の方や、駐在員などタイで働く日本人などが認められています。
日本からタイなどへ行って感染は大丈夫なのか、と不安に思う人もいるかと思いますが、現地の感覚は全く逆で、まだ感染者の多い日本から人を受け入れても大丈夫なのかという不安があるようです。
タイは新型コロナウイルスの封じ込めに成功している国の1つで国内の新規感染者は約2ヶ月に渡って0人を記録しています。
タイでも3月は混乱
タイも最初から封じ込めが上手く行っていた訳ではありません。
2020年3月26日には政府が非常事態宣言を宣言しましたが、非常事態の前からバンコクや近郊地域の大型商業施設やレストランなどが一斉に閉鎖されています。
閉鎖によって多くの人が解雇や長期休業に追い込まれた結果、物価の高いバンコクから地方に戻ろうとする動きが顕在化し、地方でのクラスター発生の危険性が高まりました。
タイでは2月29日に最初の死亡者が出て以降、大きなイベントやコンサートなどが相次いで中止されていましたが、そうした最中の3月6日に開催された格闘技「ムエタイ」の試合会場で集団感染が起き、大きな問題となりました。
ムエタイは、タイで人気の店頭ある格闘技であり、政府公認の賭博でもあることから高い人気を誇っています。
この日は全10試合に数千人の観客が押し掛け、立ち見もでる満員状態となりました。
この後3月23日までに選手や関係者など128人が集団感染してしまう事態になってしまいました。
補償は少ない
タイ政府は常に3月18日に人が集まる学校などの教育機関やスポーツ施設、映画館やマッサージ店などの娯楽施設を一斉閉鎖しています。
更に3月22日には持ち帰りや宅配を除く飲食店や商業モールの全店営業停止を指示しました。
ベトナムなどに比べると初動はかなり遅かったと言わざるを得ません。
当初、タイ政府は封鎖に際して、解雇や長期休業を余儀なくされた従業員への休業補償を
は殆ど考慮しておらず、物価の高いバンコクを捨てて大勢の人が故郷へ移動するという状況を生み出してしまいました。
慎重な姿勢
その後タイは本格的な感染封じ込めに動き、次第に国内での感染状況が落ち着いてきます。
タイ政府は初期対応への反省もあって、新型コロナウイルス対策には非常に慎重な姿勢を取っています。
タイでは国外からの感染者の侵入阻止を注視し、外国人の旅行者は入国禁止とし、帰国者や外国人労働者はPCR検査と措置期間の隔離対象となります。
国内についても、3月26日に出された非常事態宣言は7月末までで解除とされていましたが、延期されて最短でも8月末まで継続されることになりました。
制限は緩和
後手後手に回っていた対応策も次第に効果を生み、新規感染者数が減少してくるようになりました。
タイ政府は5月17日から夜間外出禁止措置の1時間短縮を決めました。
併せて施設や活動に関する規制緩和等の内容を含む決定も発表しました。
前述の様に国内では2ヶ月に渡って新規感染者が出ないという状況にまで封じ込めに成功しています。
再拡大への危機感は持ちながらも状況は優秀です。
但しタイは観光立国でもあり、外国人渡航者の減少は経済に深刻な影響を与えます。
タイ政府も将来的な渡航者受け入れについての対応方法を模索しています。
入国対象を拡大
日本政府はタイを含む感染者の少ない4ヶ国(タイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランド)などとのビジネス渡航の条件緩和について協議をしていました。
日本など各国の協議を経て、タイ政府は6月30日付の官報でに「 国際的な人の移動に関する決定事項」を発表し、タイに入国できる対象範囲が拡大されました。
同時にタイに入国する渡航者に対する防疫措置が発表されています。
タイ入国時には、必要書類をまとめて大使館に提出し、入国可能であることを示す証明書(COE)を発行してもらうことが条件になりました。
まとめ
タイ政府は日本人のビジネス渡航について入国対象を拡大して受け入れをしてくれました。
日本での新型コロナウイルス状況は決して落ち着いたとはいえず予断を許さないですが、治療薬も認可され、ワクチンも一定数を確保する目途が立ってきました。
一気に事が進まず、まどろっこしいですが確実に前には進んでいるのです。
悲観しすぎることなく、見守って行きたいと思います。
タイは観光資源も本当に多い国でもあるので、お互いに早く正常化して、気にせず旅行できるようになりたいですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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